『天智と天武―新説・日本書紀―』あらすじ・登場人物紹介【兄・中大兄皇子は、父・蘇我入鹿の仇】

『天智と天武―新説・日本書紀―』あらすじ・登場人物紹介 飛鳥時代
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今回ご紹介する作品は、『天智と天武―新説・日本書紀』です。
主役は、大化の改新で知られる中大兄皇子(なかのおおえのおうじ。後の天智天皇)と、その弟である大海人皇子(おおあまのおうじ。後の天武天皇)です。
中大兄皇子は乙巳の変(いっしのへん)で蘇我入鹿(そがのいるか)を討ちますが、本作では大海人皇子は入鹿の息子という設定。つまり弟にとって、兄は父の仇になるわけです。
しかも中大兄皇子は入鹿に恋をしていました。
さらに中臣鎌足(なかとみのかまたり)は百済王子・豊璋(ほうしょう)と同一人物だったり、果ては蘇我入鹿が聖徳太子だったりと、通説には見られない人物設定がてんこもりです。

基本情報

作者:中村真理子 原案・監修:園村昌弘
単行本:全11巻
発表:2012年~2016年
掲載誌:ビッグコミック

舞台、作品傾向

時代:飛鳥時代
シリアス・ギャグ度:シリアス寄り

おすすめポイント

  • 兄に復讐しようとする弟だが…。異父兄弟の愛憎劇を堪能できる。
  • 他ではあまり見られない、当時の朝鮮半島情勢が覗ける。

あらすじ

時は明治十七年(1884年)。アーネスト・フェノロサと岡倉天心は、二百年以上封印されていた厨子の扉を開く。そこには、千二百年前以上前に造られた観音像が眠っていた。
救世観音(くせかんのん)。聖徳太子の姿を模したものだという。
その観音像は秘仏として隠され、そして光背が頭部に釘で打ち付けられていた
一体何があったのか。真実を知るのは観音様だけである――

そして時はさかのぼって皇極四年(645年)。蘇我入鹿は、学堂で仏教の書物を読んでいた。
入鹿に声をかけたのは、中大兄皇子。現大君(天皇)の息子である。

入鹿は、国の政治・文化両面の実権を握る、蘇我本宗家の総領息子。
そんな入鹿に、高句麗の王子と新羅の王子は、自国の行く末を心配して詰め寄る。
入鹿はその深い見識を披露し、太平の世を説く。

そこに噛みついた人物がいた。百済王子・豊璋である。
抽象的すぎて何が言いたいのか分からないという豊璋。それに対し、入鹿は遣隋使の復活、つまり遣唐使の派遣を行うと発言した。
この国が唐と手を組んだら百済の存亡に関わると、豊璋は危機感を持つ。

その日の夜、中大兄は入鹿の屋敷を訪問する。
遣唐使の話は面白かった、自分と手を組まないか、そうすればこの国は思いのままだと誘う皇子。それに対し入鹿は、今は大君の治世だからそのようなことはできないと答える。
笑う中大兄。父の存命中に母の心を奪い、不義の子までなした者の言葉とも思えないと。

入鹿は、月皇子(つきのおうじ)はあなたの弟君だ、一目だけでも会ってほしいと懇願する。それを中大兄は激しく拒絶する。
そんな中大兄に入鹿は、会ってもらえるならば自分を如何様にもして良いと申し出る。
揺れる中大兄。そこに「父上!」と声がかかる。その声に、中大兄は急いでその場を離れるのだった。

そのやり取りを間者から知り、思うところがあったのは豊璋。
彼は蹴鞠をしていた中大兄の沓(くつ)を拾い、入鹿について話があると持ち掛ける。

豊璋は中大兄の不安を煽り、月皇子を殺すことを示唆する。それに対し中大兄は「あの用心深い入鹿を殺さぬ限り――…」そう言いかけ、豊璋の意図するところを理解する。
蘇我入鹿を暗殺する。それは中大兄皇子にしかできない。

登場人物紹介

中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)
先帝(舒明天皇)と現大君(皇極天皇)の間の皇子。
激しい性格。蘇我入鹿に恋愛感情を持っていた。
入鹿と同じ顔をした大海人の出現に衝撃を受ける。

大海人(おおあま)
蘇我入鹿と皇極天皇の間の息子。以前の名前は月皇子。
乙巳の変を生き延び、中大兄皇子と豊璋に復讐するために中大兄の前に現れる。
入鹿と瓜二つ。

豊璋(ほうしょう)
百済の王子。
自国を守るため、中大兄皇子に蘇我入鹿殺害を持ち掛ける。
乙巳の変以後も、中大兄のブレーンとしての役割を果たす。

蘇我入鹿(そがのいるか)
蘇我本宗家の総領息子。学識深く、温厚な性格。
大海人(月皇子)の父親。

まとめ

『天智と天武―新説・日本書紀―』を紹介しました。
倭国・唐・朝鮮三国の関係など当時の社会情勢にも注目しつつ、異父兄弟の駆け引きや対立、そして愛憎に満ちた激しい感情のぶつかり合いを味わえます。

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