『ふることふひと』あらすじ・登場人物紹介【記憶力抜群の女装男子が語る古事記】

『ふることふひと』あらすじ・登場人物紹介 飛鳥時代

今回ご紹介する作品は、『ふることふひと』です。

あなたは古事記に興味はありますか? 現存する日本最古の書物。とっつきにくそうと思うかもしれません。
そんな古事記に楽しく触れられるのが本作です。

それと同時に、主人公・中臣史(なかとみのふひと)の複雑な立場、出生の秘密など、史自身の物語も楽しめる、一粒で二度おいしい作品です。

基本情報

著者:風越洞、壱村仁
単行本:全6巻
単行本発行年:2020年~2023年
連載:マグコミ(完結)

舞台、作品傾向

時代:飛鳥時代、(神代~初期天皇の時代)
シリアス・ギャグ度:中間

おすすめポイント

  • 後の絶対権力者・藤原不比等(ふじわらのふひと)の、悩み多き青年時代が見られる
  • 太安萬侶(おおのやすまろ)と一緒に、楽しく古事記が学べる

あらすじ

時は壬申の乱を経た、大海人大王(おおあまのおおきみ。天武天皇)の時代。

藤原鎌足の息子・中臣史(なかとみのふひと)は、大舎人(おおとねり。官人見習い)として宮中で働いていた。

父親は朝廷の重臣であったが既に亡く、壬申の乱で敗者側についた中臣は没落。史はそのことで周りから陰口をたたかれる日々。

ある日、史は大王から内密の命を受ける。それは史書・古事記(ふることふみ)の編纂。史は失われた史書の内容を全て記憶していた。

それは父が息子に与えた出世の道だったが、史は父を断ち切り自分自身となることを望み、巫女の一族稗田(ひえだ)の偽名を使うことを提案する。

史書編纂の条件は、「和文(やまとことば)」で書き記すこと。それができるのは、史と同じ大舎人の太安萬侶(おおのやすまろ)だった。

しかしここで大きな問題が発生。史は女性の名前を使っている。太安萬侶と一緒に史書の編纂をするのであれば、当然安萬侶の前に姿を現さなければならない。

そこで史は女装して、稗田阿禮(ひえだのあれ)を名乗るのだった。

稗田阿禮こと中臣史が語り、太安萬侶が書き記す。二人によって古事記が紡がれていく!

登場人物紹介

中臣史(なかとみのふひと)
本編の主人公。父は大物政治家・藤原鎌足。
幼少期を山科(やましな)で過ごしたが、近年都に戻ってきた。
一度覚えたことは忘れない特技を持ち、そのために古事記(ふることふみ)の編纂を大王(おおきみ)に命じられる。

太安萬侶(おおのやすまろ)
史の同僚。平仮名・片仮名がまだ無い時代に、日本語(やまとことば)を漢字を使って表記できる。
そのこと気づいた史に推挙され、稗田阿禮(史が女装した姿)と共に古事記の編纂を行うことに。

まとめ

『ふることふひと』について紹介しました。
安萬侶のツッコミと共に楽しく古事記が学べ、史自身の物語からも目が離せません。
打ち切りのような形で完結となってしまったのが残念ですが、全6巻で発売中です。

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